EXHIBITION

ヘクトル・イズキエルドは、スペイン出身、茅ヶ崎市を拠点に活動する写真家です。身近な環境にひそむ造形や空気を静かにすくい上げ、風景写真から日本の日常の場面までを主題とした作品を発表しています。

本展では、住宅地の道や庭、建物と建物のあいだにあるような、ごく日常的な風景に目を向けた作品をご紹介いたします。あまりに身近であるがゆえに見過ごされがちな景色のなかにある美しさや、そこににじむ暮らしの気配を、作家は静かな眼差しで捉えています。

スペインで育ち、日本での生活を重ねてきた作家にとって、ここにある住宅地の風景は、いまなお新鮮な観察の対象です。家々の形の違い、外へひらかれた庭、内と外がゆるやかにつながる佇まい。そうした細部を通して、何気ない街並みのなかに、それぞれの暮らし方や価値観が立ち現れます。

日々見慣れているはずの風景に、あらためて目を向ける機会となりましたら幸いです。ぜひ会場にてご覧ください。

これまで私は、建築や美術をきっかけに地元の茅ヶ崎を離れ、国内外で学び、制作を続けてきました。けれど行く先々で海を見るたびに、いつも茅ヶ崎の風景を思い出します。

海は、私にとって原風景として心に残り続けているのだと思います。

長い留学を終えて帰ってきたとき、ふと「いま茅ヶ崎を見たら、どんなふうに見えるだろう」と思いました。

この展示は、そんな問いから始まっています。学生時代、留学から帰国した直後に取り組んだ建築の修士設計では、茅ヶ崎と海との関係を住宅というかたちで捉えようとしました。

それから数年を経て、建築家として、またアーティストとして街に向き合うなかで、海が街ににじみ、茅ヶ崎らしい暮らしを描いているという感覚を覚えるようになりました。

この展示をきっかけに、茅ヶ崎の新しい未来を描くための、小さな視点の種が生まれればと思っています。

本展示では、修士設計を起点に、建築・リサーチ・立体作品を通して、茅ヶ崎と海との関係をあらためて見つめ直します。外シャワーやサーフボード、ウェットスーツ、共有の倉庫など、海と日常を行き来するものに目を向け、その使われ方や痕跡を手がかりに、街のあり方を捉え直しています。

会場では、修士設計の模型や図面、論文の一部に加え、フィールドリサーチをもとにしたドローイングや立体作品を展示します。

見慣れた街の中にある、海とのつながりや距離を、あらためて感じるきっかけとなれば幸いです。

遠山大輝

建築を設計するとは、単に素材を選定し、形態・空間のプロポーションを検討し、納まりを具体化していくことだけではなく、物や人同士の関係性をデザインすることである。という点は、現代において建築を実践している人々にとっては当たり前のことであろう。このような中で、『情報量』と『依代』という概念を導入し、「関係性をデザインする」ことをデザインする、という試みを実際の設計中の住宅を通して開示する。


CURIOSITYでは展示・ワークショップの企画を常時受け付けております。ご希望の方は作品が分かるウェブサイトやSNS等をCONTACTよりご連絡ください。ポートフォリオレビューを行った上、展示の可否をご連絡いたします。